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【終末期編】尊厳死

2022年6月07日2022年6月07日

【所沢市斎場】書面で意思表示することが大切

尊厳死は、人間としての尊厳を持った最期の迎え方のことです。
例えば、治癒の見込みがなく、死期が迫っている段階で、延命だけを目的とした医療を本人の意思で拒否することが、尊厳死にあたります。

厚生労働省は、2007年に発表した「終末期医療の決定プロセスに関する指針」というガイドラインの中で、
延命措置をどうするかを含めた終末期医療について、
「医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされたうえでの、患者本人による決定を基本とする」としています。

しかし、延命措置が必要な終末期になって、自分の意思を伝えられる状態にあるという確証はありませんので、
あらかじめ、どうしたいかを書面で意思表示をしておくか、まわりの人に伝えておくことをおすすめします。

【所沢市斎場】実際に意思表示している人は少ない

先ほど紹介した厚生労働省の調査では、約7割の人は、延命措置を望んでいないことが明らかになっています。
しかしながら、実際に書面でその意思を書いている人は少ないのではないかと思います。
家族で話し合った経験があれば、患者本人の意思がわかるでしょうが、
本人の意思が明確でない場合には、延命措置をどうするかどうかの判断は家族に委ねられます。

どうしてほしいかという希望があるならば、書面に書いたり、家族や周りの人に伝えて置いたりすることが大切ですし、
見送る側の立場に立つのであれば、元気なうちに家族で尊厳死について話し合う機会を作ることが肝心です。

【所沢市斎場】慎重な議論が必要な尊厳死の法制化

超党派の議員で作る「尊厳死法制化を考える議員連盟」では、
尊厳死に関する法案(「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」、通称「尊厳死法案」)を策定し、
議員立法での国会提出をめざしています。

この法案の骨子は、患者が適切な医療を受けても回復の可能性がなく、死期が間近な終末期であると2人以上の医師が判定し、
患者自身が延命措置を希望しないという意思を表明している場合
、医師は、延命だけを目的とした人工呼吸器装着や栄養補給などの医療を中止する、
あるいは新たな延命医療をしなくても、医師は民事上や刑事上、行政上の責任を問われないというものです。

実際、数年前には、北海道や富山で医師が患者の人工呼吸器を外し、死亡させたことが大きな問題となりましたが、
尊厳死法案では、医師が責任を追及されないという項目が盛り込まれている点が特徴です。

しかしこの法案については、反対意見がたくさんあります。
法律が制定されれば、人工呼吸器や胃ろうを利用している重度の身体障害者が、
介護で家族に迷惑をかけたくないという理由で、延命装置を取り外すことが合法となります。
本来の尊厳死の趣旨とは異なる動機で延命医療の中止が選択される可能性がある以上、
法制化については時間をかけて議論する必要があります。

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