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【お葬式編】変わるお葬式の役割

2022年6月08日2022年6月08日

【所沢市斎場】「喪主=後継者」という意識の薄れ

お葬式には、

1.遺体の処理
2.霊魂の処理
3.社会への告知
4.遺された人たちの感情の共有

という大切な役割があります。

かつてのお葬式は、故人の後継者を地域にお披露目する儀式でもありました。
故人の妻が存命でも、長男が葬儀の喪主をする習慣が長らくあったのはそのためです。
喪主を務める人が、後継ぎだと考えられていたのです。

とある相撲部屋の親方が亡くなった時、第一子である長男と、部屋を継承した二男のどちらかが喪主を務めるかでもめ、
マスコミをにぎわせたことがかつてありましたが、これはまさしく、「喪主=後継者」だという意識が遺族の中に少なからずあったからだと思います。

しかし最近では、故人が男性の場合、息子がいるかどうかに関わらず、故人の妻が喪主をすることが一般的になっています。
地域共同体のつながりが薄れ、三世代同居の世帯が減少してきたこと、
サラリーマンが増え、親や家の仕事を引き継ぐケースが減ってきたことから、お葬式が、後継者のお披露目の場ではなくなってきたことが背景にあります。

言うなれば、お葬式は社会的な儀式ではなく、きわめてプライベートな儀式になってきたということです。
その意味では、社会への告知という役割は薄れてきていると言えるでしょう。

【所沢市斎場】故人の弔いよりもお別れの場

お葬式は、遺された人たちで感情を共有し合うことも、その大きな役割です。
昨今では、宗教的な葬儀式よりも、参列者が故人とお別れする告別式のウエートが大きくなっています。

2012年に実施されたとある調査では、お葬式はどのような儀式かという質問に対し、
「故人の霊を弔う儀式」だと回答した人は24.6%しかいませんでしたが、「故人とお別れする儀式」と回答した人が68.5%と、圧倒的に大多数を占めました。

社会的な儀式ではなくなり、故人とお別れすることがお葬式の大きな意義になってきたことにより、
慣習やしきたりに必ずしもこだわらなくてもよいと考える人が増えています。
むしろ、故人らしいお別れのかたちを考えたいという要望が強くなっているのです。

【所沢市斎場】時代によってお葬式の意味合いも変わる

なかには、生前葬をしたいという人もいます。
亡くなってからでは、集まってくれる人に感謝の気持ちを伝えることができないという思いから、生前に、自分で自分のお葬式を主催とする趣旨です。

たとえば、末期がんで余命半年と診断された方が、友人たちに集まってもらって生前葬を行うなどのケースがあります。

このような生前葬の連絡を受けた側の人たちには、主催する人の余命が限られているという事実に最初は戸惑い、出席を躊躇する人もたくさんいます。
しかし、実際に出席してみると、心置きなくお別れができて良かったと感じた人が多くいます。

自分にとってお葬式をする意味は何なのか、誰のためにお葬式をするのかは、人によってもさまざまです。
ひとつ言えるのは、社会や時代の変化とともに、お葬式の意味合いも多様化しているということです。

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