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【お墓編】お墓に関する法律

2022年6月08日2022年6月08日

【所沢市斎場】法律で定めるお墓の定義

岩波書店の『広辞苑』によれば、
墓とは「1.死者の意外や遺骨を葬った所。墳墓。2.墓碑、墓石」とありますが、
実は日本の法律では、「墓」という単語は用いられておらず、「墳墓」とされています。
「墓地、埋葬等に関する法律」では、「墳墓」とは「死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設」と規定されています。
また、墳墓を設ける区域を墓地と言います。
一方、納骨堂は「他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」とされています。
本来は、墳墓(いわゆるお墓)と納骨堂は異なりますが、これまでは、ロッカー式の納骨堂はお墓を建てるまでの一時的な預かり施設として使用される傾向が強かったものの、
最近では、お墓として利用する人が増えています。納骨堂のほうが安く、掃除の手間がいらない点が支持されています。

【所沢市斎場】お墓の所有権は継承が前提

また、お墓の所有権は継承を前提とすることが民法に明記されています。
民法第897条には、
「1.系譜、祭具及び墳墓の所有権は、(中略)慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべきものが継承する。
ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべきものがあるときは、そのものが継承する」
とあります。

相続財産は、例えば子どもが3人いれば、3人で平等に分配することになっていますが、
お墓の所有権は共有も分配もできず、祖先の祭祀を主宰すべき特定の人に継承させなさい、と書かれているのです。
祭祀を主宰すべき人がだれなのかについては、民法では明記していませんが、
霊園使用規則の中で、
「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族に限る」
などと規定しているところもあります。
さらに、民法第769条には、お墓の所有権を継承した後で夫婦が離婚をした場合は、
当事者や関係人と協議し、改めて権利を承継すべき者を定めなければならないという規定があります。
夫と死別した妻が再婚する場合も同様です。再婚するときには、亡き夫のお墓の所有権について、
改めて夫の親族と協議しなければなりませんが、それは次のような理由からです。

【所沢市斎場】再婚時に所有権の協議が必要な理由

日本の墓地制度は継承を前提としているものの、誰とどんなお墓に入るべきかについては、法律では何も定めていません。
したがって、結婚した妻の遺骨を夫の先祖のお墓に入れるかどうかは、当人や遺族の自由です。
家族関係が複雑になると、どこに埋蔵するかで親族がもめることもあります。
すでに結婚している家庭で、母親が先に亡くなり、父親がその後再婚し、異母兄弟が生まれましたが、
父親と再婚した女性が亡くなったときに、すでに先に生まれた子どもの母親が入っている墓を巡って異母兄弟と対立するというケースもあります。
異母兄弟にとっては、両親を一緒のお墓に入れてあげたいと思うでしょうが、
先に生まれていた子どももその気持ちが同じなので、母親を父親の再婚相手とお墓の下で同居させることが嫌だったのでしょう。
こういったトラブルが起き得るため、民法では、婚姻状況が変わった場合にはその都度、お墓の所有権について協議することを定めています。

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