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増える高齢者の「おひとりさま」

2022年6月06日2022年6月06日

死を取り巻く社会環境の変容だけでなく、家族の姿の多様化も、死の迎え方や葬送 のありように大きな影響を与えています。

数年前、NHKが放映した「無縁稼社会」という番組は大きな反響を呼びました。
番組の反響の高さは、「看取ってくれる人や死後を託せる人が自分にはいないかもしれない」という一抹の不安を、たくさんの人々が持っていることを示しています。

【所沢市斎場】「おひとりさま」はけっしてひと事ではない

「おひとりさま」はけっしてひと事ではありません。
おひとりさまを、
1 生涯未婚男女(ひとり暮らしをしているとは限らない)
2 配偶者と死別あるいは離別し、ひとり暮らしをしている男女
と定義すると、みなさんの身近にも「おひとりさま」やその予備軍がいるはずです。

【所沢市斎場】おひとりさまの実態についての統計

それでは、統計でおひとりさまの実態を見てみましょう。
まず、50歳時点で1度も結婚したことのない人の割合を示す生涯未婚率は、2010年では男性が20.1%、女性は0.6%で、ここ10年でとくに男性の生涯未婚率が急増しています。
男性の5人に1人は、生涯未婚の高齢おひとりさまになる確率が高いのです。

【所沢市斎場】おひとりさまの問高齢者がこの先、急増する

また、2010年の国勢調査によれば、65歳以上のひとり暮らしは約500万世帯、夫婦の少なくともどちらかが65歳以上の夫婦2人暮らしは約620万世帯もあります。
高齢単身者、高齢の夫婦2人暮らしの世帯だけで、65歳以上の世帯全体の別%を占めています。
夫婦2人暮らしの世帯は、配偶者の死後も、子どもと同居しない選択をする人が少なくないので、将来的におひとりさまになる予備軍です。
そう考えると、子どもの有無に関係なく、おひとりさまの問高齢者がこの先、急増することが予測されるのです。

【所沢市斎場】自分らしい死をどう迎えるか

介護保険の導入で、わが国では介護の外部化が少しずつ進んでいますが、死の問題はいまだに家族や子孫が担うべきという前提があります。
病院や介護施設で亡くなっても、遺体は家族や親族が引き取らなければなりません。
お葬式を挙げるのも、お墓の維持管理や死後の手続きも、みな家族の役割です。
しかし親が老い、病に倒れ亡くなっていく姿を身近に見なくなった昨今、
親の遺体を「気持ち悪い」と思う子ども(この場合の子どもは団塊の世代の人たち)が少なくありません。
核家族化が進み、親と何十年も一緒に暮らしていないとなれば、当然の感情なのかもしれません。

【所沢市斎場】お葬式ができない限界集落の増加

かつては、地域の人たちが協力してお葬式を手伝っていましたが、こうした相互扶助の文化は都市では完全に失われています。
住民同士のつながりが濃い地域であっても、高齢者だけではお葬式ができない限界集落も増えています。

【所沢市斎場】子供の世代に任せられない

一方、死や死後を担うべき家族は、老老介護や少子化の時代にあって、マンパワーが減少しています。
その結果、子どもがいても、「子どもに死後を託せない」「子どもに死後のことで負担をかけたくない」と考える高齢者が増えているのです。

【所沢市斎場】必ず訪れる死の為の準備

以上のように、社会や家族の変容に伴って、死の迎え方を元気なうちに考え、準備しておく必然性が高まっています。
そして、今は死の迎え方や葬送の選択肢が増え、どう逝きたいかという考えや正しい情報の収集によって、自分らしく人生を締めくくることができる時代です。
死や葬送にまつわる情報は、普段あまり見聞きしないので、思い込みや誤解をしている人は少なくありませ ん。
また、できれば考えたくないという思いもあるかもしれません。
しかし、死なない人はいません。
大切な人の死に遭遇しない人もいません。
ならば元気なうちに準備をしておいたほうが、残された時間をもっとよりよく生きられるのではないでしょうか。

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