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【お葬式編】宗教色のないお葬式

2022年6月08日2022年6月08日

【所沢市斎場】習慣としての仏教葬

最近では、「とくに仏教を信仰していないので、お葬式に僧侶の読経はいらない」と考える人は少なくないようです。

2012年にある人間科学の研究者が行なった調査によると、自分のお葬式を「宗教色のある形式」でしてほしいと考える人は16.4%しかいませんでした。
「こだわらない」人が50.5%いるうえ、「宗教色のない、お別れ会形式」を望む人も25.5%おり、宗教色のある形式を希望する人を大きく上回っていました。

仏教葬は信仰からではなく、慣習として定着しているにすぎませんが、現状では、日本のお葬式の9割近くは仏式でおこなわれています。

【所沢市斎場】宗教そのものに対する関心の薄れ

一方、「お布施や寄進などの経済的なつきあいが大変だから、菩提寺との関係を解消したい」と、先祖のお墓を菩提寺から民間霊園などへと移す人も少なくありません。

首都圏では、菩提寺を持たない遺族が半数以上を占めると言われており、葬儀社を介して僧侶が派遣されてきます。
菩提寺にいくらお布施を包めばよいかを悩む人は多いですが、派遣僧侶の料金は明確です。

実際、インターネットで「僧侶派遣」と入力して検索してみると、派遣会社の多くが料金を明示しています。
東京のある派遣会社の場合、戒名をつけず、どの宗派でもよければ8万円余り、宗派を指定しても14万円足らず、別会社では戒名なしで20万円でした。

両社の価格差の理由はわかりませんが、「後々お寺とのつきあいがないので気楽」「料金が明示してあるので安心」と感じる人が増えているのは事実です。
しかし、いくら明朗で廉価でも、戒名や読経に対価を支払うことに意義を感じず、これらを拒否する人たちも多くいます。

また、菩提寺がある場合でも、菩提寺とは葬儀と法事だけのつきあいで、その宗派の信者であるとは限らないことから、宗教色のない葬儀を望む人は少なくありません。

【所沢市斎場】趣向を凝らした偲ぶ会やお別れ会

宗教色のないお葬式、つまり告別式だけのお葬式には決まった形式はなく、偲ぶ会やお別れ会と呼ばれることもあります。

結婚式や法人の宴会需要の拡大が見込めないホテル業界では、こぞって偲ぶ会を積極的に提案しています。
もちろん、宗教色のないお別れ会は葬儀会館でもできます。
故人が好きだった歌を流したり、故人の思い出を一人ひとりが語り合う演出があったりもします。
会場には故人の遺品を飾ることもあります。

【所沢市斎場】用語解説「仏教葬」

庶民がお葬式を仏教でするようになったのは、江戸時代に入ってからです。

キリシタンではないことを寺院に証明させる寺請(てらうけ)制度が確立したことで、すべての人は特定の菩提寺の檀家になることを義務づけられ、葬儀も必ず菩提寺に依頼することなどを徹底させられました。
こうした寺請制度は1871年(明治4年)に戸籍法が改正されるまで存続しました。

そのため、寺院の社会的な権限が亡くなった現在でも、菩提寺と檀家の関係は、先祖のお墓を介してつながっており、お葬式や先祖の法事を菩提寺に依頼する慣習は根強く残っています。

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