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【死の直後編】献体

2022年6月08日2022年6月08日

【所沢市斎場】本人の意思で提供が可能

献体(けんたい)とは、医学部や歯学部で実施される人体解剖(かいぼう)実習の教材として、遺体を無条件、無報酬で提供することを言います。
臓器提供と混同する人がいますが、臓器提供は、臓器の機能が低下し、移植で歯科治療できない患者に臓器を提供することですから、献体とは全く性質も目的も異なります。

また、献体には本人の生前の意思が必要です。
臓器提供のように、家族の意思だけで献体はできません。
家族の意思だけで献体はできません。
あらかじめ生前に、本人が医科大学(大学医学部)か、歯科大学(大学歯学部)の窓口に意思を登録します。
献体を推進する団体である篤志解剖全国連合会や白菊会連合会など、献体の団体を通じて申し込むこともできます。

【所沢市斎場】増加する献体登録者数

献体をしたいという人は昨今、急増しています。
篤志解剖全国連合会によれば、献体登録者数は1970年代半ばまで1万人台でしたが、2007年には21万人を大きく超えています。
このうち、すでに亡くなり、実際に献体された人は半数以下ですが、解剖する件数は年に3000体程度ですので、供給過多であることがわかります。

こんな状況ですから、当然、献体として解剖されるまでにも相当の年月がかかります。
亡くなってから、大学の医学部から遺骨が返ってきたのが2年後だった、遠いう人も珍しくありません。

全国平均では、遺骨返還までに数年程度を要しているようです。
もちろん、解剖実習を終えた遺体は大学側が火葬し、遺骨の状態で返されます。

最近では、ほとんどの大学が新規登録する件数を制限しており、新規募集を中止する大学もあります。
神戸大学では毎年、募集期間内に先着順で応募してきた本人に対し、2人の親族とともに、意思を確認するために面接をしています。
そのほか、登録する人の年齢制限(高齢者が優先)を設けている大学もあります。

【所沢市斎場】大学側が献体登録を制限する理由

無償で自分の身体を提供してくれる人に対し、年齢制限を設けたり、面接で意思を確かめたりするのはおかしな気がしますが、
その背景には、純粋に医学のためにというよりは、別の理由で献体登録を希望する人が少なくないという事情もあるようです。

「死後に家族に迷惑をかけたくない」「墓を見てくれる人がいない」と、献体者用の納骨堂を持つ大学に希望者が殺到しています。
以前は、希望者は民間霊園や公営墓地などにある大学の納骨堂に合葬(がっそう)されていましたが、
現在では、遺骨を引き取る遺族がいない場合に限って、納骨堂を使用できるという制限を設けている大学もあります。

なお、生前に手術をして臓器がない遺体でも献体できますが、交通事故などで内臓破裂や血管損傷した遺体、病理解剖や司法解剖した遺体は献体できません。
また、死後に臓器提供した場合も献体することはできません。

【所沢市斎場】ワンポイントアドバイス

献体をするとお葬式ができないと思い込んでいる人もいますが、献体登録していてもお葬式はできます。
お葬式を終えて出棺された遺体は、火葬場へ向かう代わりに、大学が用意した寝台車で施設へ運ばれることになります。

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