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【死の直後編】エンバーミング

2022年6月08日2022年6月08日

【所沢市斎場】生前の安らかな姿に近づける

大切な人の死に顔は、遺された人の記憶に何年たっても残ります。

ひとり暮らしなどで死の発見が遅れた場合や、事件や事故で損傷が激しい遺体は、遺族に大きな衝撃と悲しみを与えます。
苦しそうにゆがんだ顔も、遺された人の脳裏から離れず、いつまでもつらい思いをするようです。
こうしたケースでは、死化粧を施すだけでは、故人を安らかな顔にすることができません。

損傷した遺体を生前の姿に近づけることは、遺された人への大切なケアですが、その一つの方法に「エンバーミング」(遺体衛生保全)があります。

遺体を洗浄し、静脈から血液を排出し、動脈から防腐液を注入することで、遺体の防腐を防ぎ、必要に応じて顔などに復元処置を施します。
遺体が腐敗しないので、火葬を急ぐ必要がないという利点がありますし、赤色の防腐液を使用するので、顔色がよくなるという特徴もあります。

【所沢市斎場】海外では広く一般的な方法

日本では、何日間にもわたってお葬式をするケースはまれですし、
亡くなって数日以内に火葬にすることが多いので、腐敗防止はドライアイスでおこないます。
しかし、エンバーミングした遺体は、闘病の跡や死後硬直がなくなり、安らかな顔になります。
きれいな故人の最期を演出できるという効果があります。

感染症などで亡くなった場合、遺族が顔を近づけると感染する可能性もありますが、エンバーミングをすれば、この危険も回避できます。

欧米では、弔問客が遺体と最後の体面をする儀式がおこなわれるため、エンバーミングで遺体をきれいにするのが一般的です。
フィリピンやシンガポール、タイなどの東南アジアでも、亡くなってすぐに土葬するイスラム教徒以外は、暑さで腐敗しないようにエンバーミングをすることが多いようです。

日本で亡くなった外国人、またその逆で、外国で亡くなった日本人の遺体を本国へ運ぶのに、エンバーミングを義務付けている国はたくさんあります。

【所沢市斎場】日本国内でも普及が進んでいる

日本にエンバーミングが導入されたのは1988年ですが、この年には191件しかおこなわれていません。
わが国で本格的におこなわれるようになったのは、1995年の阪神淡路大震災のときだとされています。
火葬場が崩壊したり、身元不明の遺体の確認作業に時間がかかったりして、火葬までに相当の時間を要したことがきっかけです。

2011年には2万3000以上の遺体がエンバーミングされており、少しずつ普及してきています。
料金は業者によって異なりますが、15~20万円程度です。

2013年時点で、エンバーミングを請け負う業者は13社あり、あわせて33の施設があります。
エンバーミングが導入された当初は、外国人がエンバーミングを施していましたが、今では日本人エンバーマー(エンバーミングをする専門家)は100人を超えています。

延命医療や高度治療によって遺体の腐敗のスピードが速くなっていること、家族葬の増加で故人を美しく送ってあげたいという遺族の意向が強くなっていることもあり、遺族ケアの観点からもエンバーミングの需要は増えていくと思われます。

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